電子リサイクルシステム
新しい廃棄物減容装置 有機物減容装置「電子リサイクルシステム」
有機物の熱分解システムとは何か
廃棄物の処理に関する技術のひとつとして、20年以上前から、廃棄物の「燃焼」ではなく、「熱分解」という現象が知られていました。
廃棄物の「燃焼」とは、廃棄物に大量の燃料と酸素を加えて燃やし、灰にする、というものです(有機化合物と酸素の化学反応を引き起こす)。これに対して、酸素が極端に少ない状態で、廃棄物を高温で加熱すれば、物質の分子構造を熱によって破壊し、バラバラに分解することができます(有機化合物を熱分解する)。これが「熱分解」の現象です。
「熱分解」を利用して廃棄物を処理する装置として、これまで多くの会社が製品を発表してきました。その多くは磁力を使って「熱分解」を継続させる、という装置ですが、含水量が多い廃棄物では分解しない、とか、処理スピードが遅い、という欠点がありました。
当社は「熱分解」の原理に注目し、従来の磁力に加えて、イオン化空気を活用して、熱分解の効率を高めることに成功しました。こうして生まれたのが有機物減容装置「電子リサイクルシステム」です。
熱分解の原理
システムの原理は、装置下部に敷いたセラミックスに遠赤外線による輻射熱を発生させ、その輻射熱を有機物に吸収させることで、分解させることです。高温となる期間が短時間であるため、ダイオキシン類やNOx類、塩化水素などの有害な物質が発生しにくい、という特徴があります。
いったん「熱分解」がはじまると、特殊な技術によって「熱分解」を持続させ、燃料を投下することなく、廃棄物自体が燃料となって、分解が進みます。
中心下部で輻射熱による分解が行われるため、装置の外部は熱くなりにくい。 このため、装置自体を建物の中に設置することができます(消防法をはじめとする各種規制をクリアしています)。
※ 熱分解:有機化合物を無酸素状態で加熱することによって行われる分解。燃焼との大きな違いは、酸素との化学反応ではなく、物質の分子構造を熱によって破壊する分解反応であること。(pyrolysis ,thermolysis; thermal decomposition; thermal cracking)
熱分解システムの特長
「熱分解」装置は、遠赤外線熱によって有機物をすべて分解し、リサイクル可能な無機パウダー(セラミックス)にする次世代の“低負荷-環境システムです。
マテリアルリサイクル
有機物を限界まで分解し、純度の高い無機パウダー(セラミックス)を生成。
残渣物のリサイクル化。⇒ 陶器・ガラスなどの材料、吸着剤などの高機能材料としても利用可能。
低CO2、低コスト
補助燃料は不要(電気を利用する。特殊技術により、廃棄物のみのエネルギーで熱を持続できる)
燃料(重油、灯油等)を使わないため、「焼却」と比べてCO2の発生を大幅に削減できる(一般的には、焼却の8分の1程度のCO2発生量)。
その他の特長
混在廃棄物に強い ⇒ 細かな分別は不要!
高含水率の廃棄物に強い ⇒ 炎ではなく、遠赤外線による蓄熱効果による
安全性が高い ⇒ 遠赤外線熱は筐体を熱しない ⇒ 装置本体が高温になりにくい
類似商品との違い
- 小型の装置である ⇒ 火格子面積が小さいため、焼却炉の規制にも抵触しない(火格子面積 0.5㎡未満)。
- 分解スピードが速い ⇒ 当社初号機に比べて2倍以上の分解スピード。
このため採算性が高い。通常の廃棄物ならば、1日当たり200~300㎏を処理できる(継続稼働が必要)。 - 分解にムラがない
処理前と処理後の状況
食品残渣(含む紙ゴミ、ビニール、ペットボトル等、大手外食企業提供)
処理後の無機パウダー(セラミックス)
分解できるもの 分解できないもの
本装置は、有機物を分解することができます。食品残渣、廃プラスティック、タイヤ類、感染性医療廃棄物、オムツ、タイヤ、鶏糞などの糞尿)、海岸の漂着ゴミなど、様々な有機廃棄物を処理することができます。
なお、電子リサイクルシステムの801型は、小型の装置であるために、大きな廃棄物は、破砕機等で細かく破砕する必要があります。
一方で、鉄くずやガラス類、陶器などの無機物は分解できません。廃棄物にこれらの無機物が混在している場合、無機物は熱せられるだけで、装置下部に残ることになります。
減容実験
処理対象の廃棄物がどれくらい減容するかどうかをチェックするために、減容実験をお勧めします。必要な廃棄物は100㎏程度です。
7日~10日の期間が必要です。対象有機物は1日である程度分解しますが、セラミックスになるまでは時間がかかります(最低2カ月の連続稼働が必要です)。実験終了時に残渣物を取り出して、重量を計測します。
岡山の提携工場で、実証実験を行います。実験のための費用(実費、10~30万円程度)は、ご負担をお願いします。
電子リサイクルシステム 801型
801型の販売価格については、弊社にお問い合わせください。
お客様のニーズをお聞きした上で最適なシステムを提案し、お見積りを致します。
801型は駐車場等に設置できるタイプ
制御盤:内部の温度が100℃以下になっても、分解は継続します。
801型は、1日200~300㎏の処理能力がある装置です(廃棄物の種類により、処理能力が異なります)。
本体の直径80㎝、高さ320㎝、幅140㎝、奥行136㎝、重量 約670㎏(含むカバー)
電源:単相200V、消費電力:150W(通常使用時)・1350W(補助熱源使用時)
上記費用は、稼働試験代を含む料金です。
運搬費用、施工費用については、現場を見てから別途、お見積りを致します。
破砕機、自動投入機、排ガス装置、屋根等安全カバーは別料金となります。
処理対象物によっては、有害物質除去のために、排ガス処理装置の価格が上がります。
詳細な費用は、当社、あるいは販売代理店にお問い合わせください。
支払い条件
発注時にお見積り金額の半金支払い、納入時に残金支払い。発注から納品まで約3カ月かかります。
電子リサイクルシステムが有効な分野
電子リサイクルシステムは、下記の分野で効力を発揮致します。
- 工場等施設内での廃棄物処理
- 外食企業の各店舗での廃棄物処理
- コンビニ等小型店舗での廃棄物処理
- 商業ビル、マンション等での廃棄物処理
- 病院内での医療用廃棄物、食品残渣等の処理
- 介護施設でのオムツの処理
- 災害地における廃棄物処理
- 海岸の漂着ゴミの処理
- 廃基盤等からの貴金属・レアメタルの採掘
- 焼却灰の減容
801型は小型装置であるために、廃棄物の“地産・地処理”を可能とします。
「ゴミをその場で処理して、外部に排出しない」というのがコンセプトです。
導入企業にとってのメリット
- 食品残渣や廃プラスティックなど、有機物の廃棄物を低コストで処理できる。
⇒ 焼却処理と比較して、処理コストが減少! - 残渣をリサイクルすることができる。
- 処理のための燃料(重油等)が不要のため、焼却処理と比べてCO2の大幅な削減につながる。
- 廃棄物の“地産・地処理”を可能とする。
導入企業のCSRに貢献する!
SDGsに対応した製品
SDGsに対応した製品
「電子リサイクルシステム」は“SDGs”に対応した製品です。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。
本製品は、上記の3、7、9、11、12、13、14、15、17の目標達成に寄与いたします。